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館長 加 藤 智 一 |
山形県産業科学館は、令和7年度に25年目を迎えます。
平成13年元旦に霞城セントラルとともに開館して間もなく四半世紀。これまでに来館されたお客様は約650万人を超え、長きにわたり科学と山形県の産業を体験的に学べる施設として、皆さまに支えられてまいりました。
新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う措置として、令和2年以降、臨時休館や入場制限などにより、ご不便をお掛けしてまいりましたが、令和6年度は、ほぼコロナ感染拡大前の状態にまで回復してきております。具体的には、令和2年度の来館者数が約3万4千人であったのに対し、令和6年度には年間21万人を超え、目標としておりまいした、20万人を達成することができました。
私たちはこれからも、県の将来を担う子ども達をはじめ、多くの県民に直接、科学や技術に触れてもらうことで、科学の原理等を楽しく学習できる展示物や、県内ものづくり企業等の有する優れた技術や製品の紹介を行う企業展示ブースの設置、そして科学体験学習等ワークショップの実施を通して、科学やものづくりの興味関心を高める機会の提供を行い、「生涯を通じた多様な学びの機会の充実や、先端技術の活用による産業イノベーションの創出」に必要な人材の資質向上、そのきっかけづくりに、微力ながら寄与してまいりたいと考えております。
令和7年は干支で言うと巳年。蛇が脱皮して新しくなるように、日本社会も大きな変化や再生を示唆するような出来事が起こっています。これらも、巳年の「困難を乗り越えて新たな段階へ進む」という傾向の表れなのかもしれません。山形県産業科学館としましても、今年度はリスタートの年。時代の要求に答える新しい姿を具現化していかなければなりません。今まで取りこぼしがちであった年齢層へのアブローチも必要です。変わっていく家族の形や、地域の実情を踏まえた運営努力を怠らず、一歩ずつ前進してまいりたいと思います。
山形県産業科学館はこれからも、未来を担う子ども達に思いを寄せ、県民の皆様の力強い励ましとご協力を支えにしながら、来館者に産業技術に対して興味や関心を持ってもらえるような施設として、その役割を果たしてまいりたいと存じますので、今後ともご支援ご協力くださいますようお願い申し上げます。